やっぱり手作りパンが好き

ご家庭でのパン作りをとことん応援します。長年のベーカリー経験とパン教室経験にもとづく、超解りやすい解説を心がけています。

食品添加物の必要性と食品衛生について

 

f:id:sizuasa1113:20200619145006j:plain

無農薬野菜


前回、気にする人にはと~っても気になる食品添加物の話を色々してきました。

今回、食品添加物の悪者代表のレッテルを貼られている添加物について、もう少し詳しく書きたいと思います。

また、商売としてパンを作っている方でなければあまり耳にすることがないであろう、食品衛生についても触れていきたいと思います。

 

保存料ってそんなに身体に悪いものなの?

 

ソルビン酸カリウム(ソルビン酸K)と表示されているのを良く目にすると思います。

これは、前回書いた漂白剤と同様に殺菌という目的で使わる添加物の一つで、分類は保存料です。

よく、保存料無添加・・・・みたいに書いてありますよね。

このソルビン酸カリウムに至っては、化学的にまったく無害であると立証されています。

しかし、化学的に合成された物という生い立ちのせいか、食品になぜ合成の物を入れるのだ???? という気持ち悪さからか、すっかり嫌われているのが実情です。

 

ちなみに、食品の袋の裏側に書かれている食品表示そのものに興味がないという人も多いかもしれませんが、相反して一字一句見逃さないという人もいますので、ここでは「食品添加物・・・気になるよ!」という方を対象として書いています。知っておいて損はないですから、この際頭の隅にでも入れていただければ、より安全に食品を買うことが出来ると思いますよ。

 

 更に、いわゆる合成着色料と言う嫌われ者がありますが、これは主に赤色2号、青色1号、黄色4号など十数種類が認可されて使われています。

無添加論者達は、はこれらを「タール色素」と呼び、「当初発がん物質のコールタールを原料として作られていたためこの名がついた」としています。

しかし原料と色素は全く別の化合物ですから、原料に毒性があろうが発癌性があろうが何の関係もないし、現在はタールから合成しているわけでもありません。

例えば「ザ・カクテルバー」という商品名のカクテルを名指しして、それに使われている色素を取り上げて、発がん性があるなどと書かれていたりしますが、赤色106号の動物実験の結果を人間に当てはめてざっと計算すると、1日数千本の「カクテルバー」を2年近く飲み続けて、やっと肝機能の数値に多少影響が出る程度という計算になります。

そんなに一度に飲む人は間違いなくいませんし、これだけの量を飲まなければ致死量に到達できないようなものを、そもそも人体に悪影響があるという論調で語るのであれば、すべての食品、すべての天然物が毒になってしまうでしょう。

要するに「カクテルバー」の糖分やアルコールのせいで体を壊すことはできても、赤色106号で体調を崩すのは事実上不可能です。

はたまた、悪の代名詞である化学調味料の ”味の素”

この「味の素」の主成分(97.5%)はグルタミン酸ナトリウムという化合物です。

無添加論者の本には、この化合物が脳細胞を破壊するとか、急性神経毒性を持つとか実に恐ろしげなことが平気で書かれています。

その根拠となる実験は「生後10~12日めのマウスに体重1kgあたり0.5gを経口投与するとその52%に、1gを投与すると100%に神経細胞の損傷や破壊が起こった」

というものですが、これは人間でいえば数十gの味の素を水に溶かし、直接チューブで赤ん坊の胃に流し込んだ状態です。

それだけ一気に摂取すればどんなものでも何らかの障害を引き起こすのが当然です。

普通に調味料として使っている分には何の問題も考えられません。

よく「味の素の使い過ぎが日本人の味覚をダメにしている」という指摘もあります。

その本質は、「味の素を入れることによって味がまろやかになり、塩分をあまり感じなくなる・・・」という考え方が正解で、そのお陰でついつい沢山しょっぱい物を食べ過ぎてしまう可能性がある・・・と言う事で、これは真実だと思いますが、それでは論点が違います。

正確には、味の素がいけないのではなくて、しょっぱい物を食べ過ぎて舌が麻痺したり荒れたりする事で味覚に影響がでるかも・・・となるでべきでしょう。

まあ、味の素に関しては、私の小学生の頃からすでに各家庭で最も多く使われてきた化学調味料なのではないでしょうか?

これも、当時から身体に悪いという意見も多々ありましたが、結局現在も普通に使われており、恐らくありとあらゆる食材の中で、最も多く使われている調味料の一つであると言えるでしょう。

味の素は石油から作られているから危険・・・などともよく書かれていたりします。

別に石油から作られているからと言って、石油をなめているのとは訳が違いますし、化学合成されてまったく別物に生まれ変わる訳ですから、この表現もかなり偏った見方としか言いようがありませんね!

べつに味の素の味方をする訳ではありませんが、実際には石油から合成するには費用が膨大になるとして、さとうきびから発酵法という製法で作っているそうですが・・・いずれにしても、私個人が50年以上食べ続けていて何の問題もない・・・ これ以上の人体実験はありえないでしょう。

それが現実なのです。

ですから、添加物のせいで体調が悪くて・・・なんて思いこんでしまっている人達は、どうぞ一生懸命身体に良いとされている高額な食材を購入していただいて、経済の安定に一役買っていただければ幸いです。

私のような貧乏人は、なにを食べても大丈夫なように身体だけは丈夫に出来ておりますので(笑) 

食品添加物の毒性試験というのがあるのですが、これはマウスなどの実験動物を用いて、急性、亜急性、慢性、変異原性など11項目の厳密なテストを行なって安全な使用量を確認するのです。

しかも万一に備えて、添加物として用いてよい量はこの100分の1以下と決められています。

な~の~に~ 叩かれるのです。 

ここまで色々書いてきましたが、要するに必要量をきちんと守って使う分には、これらの食品添加物も完全に無害であると言えるのではないでしょうか?

薬も飲み過ぎれば大変なことになる。

身体に良いとされるものだって、食べ過ぎれば体調が悪くなる。

その程度の認識で良いのではないかと私は思うのです。

あれこれ考え過ぎる???よりも、何でも良く食べる!

バランス良く食べる。

そして適度な運動も。

それにつきるのではないでしょうか?

 

食品衛生からみる食品添加物の必要性について

 

食品衛生と言うことばは、あまりご家庭では使わないかもしれませんが、食品を製造したり販売したりする場合には、これ以上重要なことはないといっても良いくらい、本来であれば勉強したり教育を受けておかなければならないほど必要不可欠な知識であり指標でもあるわけです。

食品を安全に製造し、できることならお客様が買った後でも、その安全性が長持ちする、保証されるということが重要なのであり、「お腹が痛くなったのは早く食べないからで、私達お店のせいではない」ということでは済まないのが現代社会ですよね。

そんな安全は当然のこととして、日々お買い物をされていることと思いますが、この安全性に関しては、誠に残念ですが、ある程度大きな食品会社ほど安全で、小さな個人店に関しては店主の知識次第、人間性次第と言うことになっているのが実情です。

どういうことかと言いますと、大きな会社ほどたくさんの食品を作っているわけで、たくさんの量を作りたくさんの人に売るためには、万が一にも食中毒などの菌が入ったものを売ることがないように、とんでもないほどのチェックを日々行っているのです。

なぜなら、一件でも食中毒患者が出てしまったら、その会社は大打撃を受けてしまうからで、今までにも多々そのような報道がありましたよね。

全国でたった一人、あるいはほんの数人であっても、その会社の食品を食べて食中毒になったとしたら、その製造工場には保健所や厚生労働省が調べに入りますし、数日から数か月は製造がストップしてしまいます。

また、そのことが報道されてしまいますから、全国の人々がその会社のものを買わなくなってしまいますので、それはそれは大打撃を受ける訳です。

ですので、万が一にもそのようなことがないように、製造した食品は菌数を計ったり、冷蔵庫や冷凍庫の温度管理は2時間おきにチェックしたり、食材の仕入れや保存なども完璧に管理されて、絶対に古くなった材料などを間違って使うことがないように最善のチェック体制がしかれているのです。

 

f:id:sizuasa1113:20200619154004j:plain

 

食品工場で作業をする人というのは、ほとんどがこんな感じで徹底的に人体と食品が直接触れないようにしています。

なぜかといいますと、人体には体毛や髪の毛、ホコリや様々な雑菌がたくさんついているからです。

 

「うそー、私毎日ちゃんとお風呂に入ってますけどー」と言ってもダメで、とにかく食品に菌を付けない工夫をしながら、食品に他のものからも菌がつかないようにしながら、そして食品そのもの(原材料がそもそも持っている雑菌)などが増えないようにしながら作業を行っているのです。

 

これがいわゆる大手と呼ばれている工場の日常の製造風景なのですが、相反して例えば焼き立てパン屋さんはどうでしょうか?

今で言えば皆マスクをしていますが、本来はほぼつけていませんよね。

そして手袋もほぼしていません。

焼けたパンは野ざらしですし、パン棚の周りを人が歩き回りますので、ほこりだらけであることは間違いありません。

人の出入りのたびに出入り口から砂やほこり、そして時にはハエなどの害虫も入り込んできますので、よ~く見なければわからないことではありますが、現実としてはパンの表面にはかなり色々なものがのっかっていることでしょう。

また、パン屋さんからは怒られそうですが、大手工場などと比べてしまうとあまりにも汚い環境で作っていることが多く、従業員一人一人の衛生観念も低いと言わざるを得ないでしょう。

それが気持ち悪いからと言って、焼き立てパン屋さんにはいかない、袋に入ったパンしか買わないという人もいますし、そこに目を向けるのではなく、生産者の顔が見えるとか、出来立てだから安全だという観点から、あるいは大手は添加物だらけだからという疑いをもって焼き立てパンしか買わない人もいると思うのです。

 

メーカーが作るパンの具材は美味しくないし、添加物がいっぱいだからということで具材を出来るだけ手作りにしているパン屋さんがありますが、その具材の菌数を計るということはほとんど行われていません。この具材がもし数日間使用されていた場合、冷蔵保管されていてもかなりの菌数が増殖してしまっているのです。ただし、その場合でも焼いてしまえばある程度は滅菌できる訳ですが、酸化は防げませんので、なんか胸焼けするとか、お腹の調子が今一・・・なんてことがおきても全くおかしくない訳です。そして、残念ながらそのことを知識として知っている人は少ないかもしれません。一度加熱したら安全・・・ではありませんし、そこは美味しさとは違う次元の知識ですから、そのことだけは頭に入れて買う必要があります。また、手作りした具材に関しては保健所はノータッチですから、まさに信じるか信じないかは買う人の判断にゆだねられているのです。ある意味、添加物よりも即効性のある危険物質を食べてしまう可能性だけは否定できないのです。

 

 

どこまで言っても、いくら何を説明しようとも、皆同じ志向にはならないのですから構わないと言えば構わないのですが、人の認識の違いというのはある意味真逆なのだということだけは知っておかなければなりません。

だからと言って、焼き立てパン屋さんのパンを買って食中毒になったという話はあまり聞きません。

これはなぜかといいますと、焼くことで殺菌されているからですね。

焼き立てパン屋さんでも、大手のパンでも、一番食中毒が心配されるのはやはりサンドイッチで、これはパンは殺菌されていますが、野菜は生だからなのです。

そもそも生の野菜というのは、それはそれは細かく言うと書ききれないほどの天然の添加物や毒素を含んでいて、その中の一つでも増殖や繁殖してしまうと、途端にお腹を壊すことになり、最悪人を死に至らしめる力を持っているのです。

これと相反して様々な栄養素も持っていることは誰でもが知っている訳ですが、どのような食材であったとしても、特に自然で栽培されるものに関しては尚更ですが、自らの身を害虫などから守るために毒素を持っていることが多く、収穫されるまでの間は空の下で裸でいる訳ですから、とうぜん様々な虫さん達と触れ合うことにもなり、どんな菌がどの位くっついているかは全く見た目では解らないのです。

そうなりますと、その野菜は育つまでの間は農薬によって虫が来ない方が安全であるという考え方もできますし、虫は来ないが農薬が危険だろうという考え方もできるわけです。

また、農薬によって虫からはガードできたかもしれませんが、その後に漂白剤に付けるのは危険だろうという考え方もできますし、無農薬で農薬の心配はないかもしれませんが、だからといって漂白剤につけなければ菌の繁殖は防げないだろうという考え方もあります。

こうなってくると非常にややこしいですが、食品衛生の観点で考えた場合、その食材そのものが持つ特徴、例えば無農薬なのか、土壌はどうなのか、肥料はどうなのか、環境はどうなのかということで判断するのではなく、その食材の菌の繁殖を制御し、口に入るまでは安全を確保するという考え方が優先されますので、味とか育て方とかで違いが出る、美味しさとか栄養素の部分ではなく、あくまで菌を増殖させないような工夫が第一だという考え方なのです。

そして、そんな努力のおかげで、多少賞味期限が過ぎたものを食べたとしても、食中毒を起こすようなことがなくなったというのが現実なのであって、このように様々なウイルスや菌が自然界に存在している中でいわば共存している私たちの食を守るためには、食品添加物が確実に必要なのであり、その毒性にのみクローズアップして敵視するのは大間違いであることだけは知っていただきたいのです。

 

正しい食の安全を調べて、自分で決めましょう

 

自分自身も焼き立てのパンを作っていながら、焼き立てパン屋さんの悪口を書いているようで誤解されるかもしれませんが、実際にはとんでもなく衛生面での認識と設備や環境衛生に対する取り組みに違いがあるのは確かなのです。

また、解る人には解るかもしれませんが、きったないけど美味しいラーメン屋さんとか普通にありますよね。

私個人としては全くそんなことは気にならないのですが、衛生という言葉を使う時には、どうしてもそれを菌数とか異物混入確率で見なければならないのです。

だからと言って、汚いラーメン屋さんからだけ食中毒が出るわけでもなく、汚いパン屋さんからも食中毒はほぼ出ていません。

なぜほぼかと言いますと、小さいお店の場合はあまり報道されないからです。

ですがここで言えることは、加熱するということはかなりの殺菌であるということだけは確かだということですね。

しかし、食品添加物を悪く言う人達からしたら、蓄積されて危ないものの方が、不衛生なお店よりもあぶないということなのかもしれませんけどね。

今や、あらゆることがネットで検索するだけで調べることが出来ますし、本を執筆できるほどでもない個人でも、このようにしてブログを書いたり、動画で語ったりできる時代になりました。

今まではテレビやラジオ、そして学者先生が書いた書物しか頼ることが出来なかったわけですが、自由に自分で調べることが可能となったのです。

興味をもって調べれば調べるほど、いかに今までの情報が一方通行であったかがきっとわかります。

あれほど数十年もの間信じ切ってきたことが、実は大嘘であったということもきっとたくさん出てきます。

それでも早くそのことに気がついた方が得ですし、後悔先に立たずでしょう。

何かが身体に悪いという情報の裏には、必ずその真逆を訴える人がいます。

どちらが正しいのかは自分で判断するしかなく、それは今現在はそうであっても、その後の発見や研究で変わってくることもきっとあります。

それらを柔軟に受け止めながらも、自分や自分の家族にとっての最善を見つけていくべきでしょう。

食品添加物の一部と食品衛生について簡単にご紹介しましたが、町がきれいになり、家の中がきれいになり、水がきれいになり、人々が衛生的な生活を送るようになり、とりわけ食べ物が安全になったおかげで寿命が延びてきたことだけは紛れもない事実です。

逆に、なんでもかんでも除菌滅菌してしまって、子供たちの免疫機能が衰えてしまい、アレルギーの子供が増えてしまったのも事実でしょう。

病原菌にやられるか、薬にやられるかのどちらを選びますか・・・みたいな話ですが、薬は飲まなければ良いのに対して、病原菌は目に見えませんから、身体に入れないように作る段階で守るか、身体を丈夫にしておくしか手がありません。

ですから、食の安全を守る我々としては、なんとしても菌の増殖だけは起こさせないようにしていくことが大切なのであり、

その為には

 

製造者がまず清潔であること。

原材料などを厳選管理し、菌を持ち込まない。

冷却や加熱や包装で菌を増やさない。

 

そんな覚悟で製造に臨むことが求められているのです。

そして、菌の繁殖を防ぐという意味合いにおいて、あらゆるパッケージに記載されている保存料・酸化防止剤などの食品添加物が、特に常温保存品、長期保存品などでは欠かせないものになっているのです。

家庭で何かを作って、それをすぐに食べるという場合には当然ながら食品添加物は使わないと思いますが、残ったものを翌日まで冷蔵庫で保存して食べるという時点では、実はかなり酸化が進んでいて、しかも菌の繁殖は半端なく増えているのです。

ご家庭ではそれでお腹が痛くなったとしても自己責任で済むかもしれませんが、販売するとなるとそうはいかないのが食品製造の現実なのです。

それらを知ったうえでもし食品添加物を否定するのであれば、それこそ体内に多くの雑菌と、酸化して間違いなく身体に害になる物質を入れてしまう可能性を覚悟しておく必要があるでしょう。

 

ちなみに、大手の食品工場に勤める社員だと皆暗記させられるのですが、食中毒菌というのはこんなにたくさんあるのです。

 

サルモネラ食中毒・黄色ブドウ球菌食中毒・ボツリヌス菌食中毒・腸炎ビブリオ食中毒・腸管出血性大腸菌・病原大腸菌食中毒・ウエルシュ菌食中毒・セレウス菌食中毒・カンピロバクター食中毒・ノロウイルス食中毒・リステリア食中毒

 

中には聞いたことがある名前もあると思いますが、これだけ多くの(いや本当はもっと多い)菌が、食品にも手や顔や頭皮にも、そして野菜や動物やトイレや・・・とにかくいたるところにいらっしゃるのですが、見えないことが幸いですね(笑)

こんなものばかり日々顕微鏡で見ている研究者の方々というのは、いったい何を食べているのでしょうかね(笑)

すいません、笑い過ぎました(笑)

 

ということで、けして何かが決着するような話ではありませんが、何事も様々な方向から検証してみる必要がある、自分で調べてみる必要がある、そして防御と言っても相手は見えない相手だし、外食をしたり買い物をする場合にはもう信用するしかないということを考えると、気にするだけ損だということに決着しそうですが、皆様はいかがお考えでしょうか・・・